パートについて思うこと

「職能」という言葉自体は「職務遂行能力」の略として用いられ、つまり従業員の「能力」が「職能」として定義され、評価され、何段階かに等級化される。 ここで最大の特徴は、それが職種や職務ごとに定義されるのではなく、職種や職務を横断して定義されるという点にある。

つまり、企業内部のすべての従業員は、職種や職務の違いにかかわらず、職能という共通の尺度に基づいて、その能力が評価され、等級づけられる。 そして、それぞれの等級に対して賃金が設定される。
つまり、同一の職能等級においては同一の賃金となり、これが「資格給」あるいは「職能給」と呼ばれるものとなる。 すると、賃金の増額は、職能等級の昇進を通じてとなる。
この昇進は、職能として定義される従業員の能力の評価に基づいている。 この意味で資格給は「能力給」とみなしてよいものとなる。
もちろん、賃金支払いのすべてが資格給の形態をとるわけではない。 いわゆる「年齢給」あるいは「生活給」と呼ばれる部分がある。
この2つ、資格給と年齢給から基本給が構成される。 基本給に占める年齢給の割合もまた企業ごとにさまざまであり、後述するように、年齢給の割合を減らす、あるいは廃止するというのが、賃金に関する現在の制度変更の1つである。

ただし、既存のものにおいても、基本給に占める年齢給の割合は予想よりはるかに低い。 従業員の平均としては、4分の1程度とみなされる。
それはまた、若年層において相対的に高く、中高年において低下する。 いうまでもなく、上位の職能等級においてはそれだけ資格給の額は大きくなり、それに応じて年齢給の割合は小さくなるからだ。
一般的な傾向としては、中間管理職となる手前の30歳前後より昇進の差がつき始め、その後の昇進の格差に応じて、個人間の賃金格差が拡大する。 つまり、年齢とともに賃金が段階的に上昇するいわゆる年功的な賃金カーブが成立するのであるが、しかし同一年齢における賃金の上限と下限の幅は年齢とともに次第に拡大する。
これもまた企業ごとに多様であるが、一般的な傾向としては、45歳段階で上下間に30から40%の幅があるといわれている。 換言すれば、この程度の格差が「能力」に応じたものとして、正当なものと受け入れられているということであり、そしてこの幅をより拡大することが、現在の制度変更の狙いでもある。

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